ナビダイヤル(0570)を導入するメリットとは? 企業側の心理を徹底解説

企業や官公庁などが問い合わせ先として設置しているナビダイヤル(0570番号)は、消費者にとって評判が悪い一方、企業側にも重要な役割があります。
なぜ多くの企業や官公庁が高い通話料が発生するナビダイヤルを導入しているのでしょうか?
この記事では、とある大企業で長年カスタマーセンターの管理を行っている筆者が、ナビダイヤルの導入理由を企業目線で解説します。

ナビダイヤルとは?

ナビダイヤルとは、NTTコミュニケーションズ社が提供する電話番号のサービスです。
企業や官公庁の問い合わせ窓口の電話番号として設定されることが多く、0570で始まります。

消費者がこの0570で始まる電話番号に問い合わせをすると、問い合わせた側(消費者側)が通話料を負担する仕組みとなっています。
さらに、03などから始まる番号と異なり、かけ放題プランでも電話代が発生してしまいます。

企業がナビダイヤルを導入する3つの理由

それでは、そんな消費者にとって負担を強いるナビダイヤルを、企業はなぜ導入するのでしょうか?
そこには大きく分けて3つの理由があります。

1. コスト削減

  • 通信料や人件費の削減
    カスタマーセンターは毎日大量の電話がかかってきます。1件の通話にかかる費用が数百円だったとしても、積み重なると膨大な経費がかかります。
    ナビダイヤルを利用することで企業側の通信料負担を軽減することができます。
    また、問い合わせ自体が縮小するので、電話を受けるオペレーターの人数を減らし、人件費を削減することもできます。
    近年、経費が高騰していることから、一部の人だけが利用するカスタマーセンターなどのコストを削減することで、商品そのものの値上げを防ぐ動きが活発化しています。

2. 簡単な問い合わせの減少

  • 消費者が問い合わせる前に慎重になる
    ナビダイヤルでは通話料が発生するため、消費者は自分が本当に必要な情報を求めているか、慎重に考えてから電話をかける傾向があります。
    さらに、あらかじめホームページやチャットボットなどの情報を自分自身で調べるようにするため、自己解決する比率も高くなります。
    これにより、簡単な問い合わせを減らし、手厚いサポートが必要な難しい問い合わせに集中できるようになります。

3. クレーム対応の負担軽減

  • カスタマーハラスメントの予防
    カスタマーセンターには、毎日様々な人が電話をかけてきます。
    中には、ずっと世間話をしている話し相手が欲しいだけのお客さまもいたりします。
    私が管理していたセンターでは、女性のオペレーターだけに毎日長時間説教をする名物のお客さまがいらっしゃいました。(男性のオペレーターが出るとガチャ切りしてかけ直すので、クレームが目的ではなかったようです)
    ナビダイヤルの導入によって通話料が発生するようになり、このようなお客さまからの問い合わせが激減。
    オペレーターにとっても働きやすいセンターになっています。

消費者として知っておくべきこと

企業側にもいろいろな理由はありますが、消費者の皆さんも困るときはあると思います。
そんなときに、知っておくべきポイントをまとめてみました。

1. 通話料金の確認

  • 料金体系を確認しよう
    ナビダイヤルの通話料金は以下のように発信する番号によって異なるので、極力固定電話から発信するようにしましょう。
    • 携帯電話:33.0円/分
    • 固定電話: 3.1円/分
    • 公衆電話:18.3円/分

2. 代替手段を活用し、通話料を節約

  • 他の問い合わせ方法の利用
    ナビダイヤル以外にも、メールやチャットなど、無料または低コストで問い合わせができる手段を提供している企業もあります。
    また、FAQやチャットボットなど、不明な点を解消するための情報提供をしている場合もあります。
    通話料を避けるために、これらの手段を先に試すことも重要です。

その他、ナビダイヤルをオトクに利用する方法は以下の記事をご覧ください。

まとめ

いろいろなものが値上がりしている昨今、ナビダイヤルを導入する企業が増えています。これは、商品そのものの値上げを防ぐ以外にも、問い合わせ対応の効率化やカスタマーハラスメントの防止などの効果を期待している場合が多いです。
一方で、ナビダイヤルへの問い合わせは通話料が発生するため、企業が提供する他の問い合わせ手段を活用し、賢く利用することをこころがけましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)